ド・ケルバン病(手の腱鞘炎)

手首が痛いんだけど腱鞘炎かもしれない・・・・

なんて思ったことはありませんか?

今日はよくある腱鞘炎の一つ、ド・ケルバン病についてお話しします。

ド・ケルバン病とは手首の親指側の骨のでっぱりである橈骨茎上突起(とうこつけいじょうとっき)で起こす腱鞘炎です。そこを通る筋肉、長母指外転筋腱(ちょうぼしがいてんきん)短母指伸筋腱(たんぼししんきん)という二つの筋肉の使いすぎで起こします。
この二つの筋肉は親指を伸ばすのに使います。

そもそも腱鞘炎とはどんなものかご存知ですか?
筋肉とは筋腹(きんぷく)と腱(けん)という部分に分かれています。
筋腹とは、いわゆるお肉の部分でここが縮むことで筋肉は働きます。腱とは骨に付着する部分のことで伸びたり縮んだりすることはありません。(アキレス腱が代表的です)
例えるならば、筋腹がゴムで、腱はヒモといったところでしょうか。

その腱が関節などで方向を変える場所にあるのが腱鞘(けんしょう)です。腱鞘は筒状になっていて、その中を腱が通っています。例えるならば、小さなストローの中をヒモが通るような感じです。

その腱鞘に腱がこすれて炎症を起こすことを腱鞘炎といいます。

なんとなくわかりました???

橈骨茎上突起(とうこつけいじょうとっき)

ド・ケルバン病は手の使いすぎや手の使い方が悪かったりすると起こします。
多くはパソコン作業であったり、同じ動作を繰り返し行う仕事で起こすことが多いです。
男性と女性では圧倒的に女性に多いようです。最近で多いのは、出産直後の女性が育児によって起こすことが非常に多いです。

ド・ケルバン病の診断には、まず、先ほどの橈骨茎上突起を押すと痛みがあること、
親指を動かすと痛みがでること
簡単なテストではフィンケルシュタインテストというのがあります。↓

フィンケルシュタインテスト

おわかりいただけますでしょうか?
このフィンケルシュタインテストで陽性であるというのがド・ケルバン病の決め手になります。

※注意 正常の人でも強くやれば少しは痛いです。わかりにくい場合は、この手のまま、親指を下に押して、本人はその手を押し返すように力を入れてみます。

ド・ケルバン病や他の腱鞘炎はほとんどが手の使いすぎで起こします。
ですから、一番の治療は、手を使わないこと!使い方を変えること!です。

しかし、患者さんにそれを言っても、
『手を使わないなんて無理です!!』と言われてしまうことがほとんどです。
女性で手を使わないというのはほぼ無理なようです。女性は働き者ですね・・・
ちなみに男性は意外と使わないでいられるようです(笑)

とは言ってもそれではなかなか痛みはよくなりません。
そこでする治療は、固定をして手を使えない状態にしてしまうのです!
固定の仕方は患者さんとよく相談した上で決めます。

一番しっかり固定できるのは包帯を巻くことです。
しかしまたもやここで問題になるのは、
『手に包帯なんかしたら、洗い物やお風呂が困ります!』と言われてしまいます。
やはりここも患者さんとよくよく相談します。男性であれば問題なく包帯を巻かせてくれますが・・・

方法としてはゴム手袋を使うなどしてもらって、洗い物やお風呂をなんとかこなしてもらったりもしますが、どうしても!と言う人にはテーピングで固定する方法もあります。
しかし、テーピングも水に強いものもありますが、洗い物などをしているとどうしてもはがれてきたりして、効果がなくなってしまい結局また痛くなってしまいます。

やはりしっかり固定していないとなかなか痛みがひきません。
1週間固定するだけでも違います。
包帯固定はコチラ↓

ド・ケルバン病::親指固定包帯

ド・ケルバン病はほっとくだけではなかなか痛みが引きにくく、不便ではありますが、わざわざゴム手袋をして洗い物やお風呂に入るまでするほどのケガだと自分は考えます。

そのことをよく説明し、相談した上で固定の仕方を決めます。なにも包帯を強請するするわけではありませんのでご安心を・・・

ド・ケルバン病に限らず、腱鞘炎の治療は、患者さんに腱鞘炎のことをよく理解していただき、よく相談した上で治療方法を決めることが最も重要だと言えるでしょう!

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