シーバー病(かかとの成長痛)

先日は膝の成長痛について説明しました。

今日は踵(かかと)の成長痛であるシーバー病について説明します。
※セーバー病と書いてある本もあります。
※踵骨骨端炎(しょうこつこったんえん)ともいいます。
※『病』とつきますが病気ではありません。

『かかとに成長痛なんてあるの!?』と思ったかたはよくよく読んでいただきたいと思います。

最近の子供はやはり足が長いですよね!
特に膝から下が長いですね!うらやましい!!

私も背は高いほうですが、高校時代の身体測定で、100センチまでしか計れない座高計で測定不能をだしてしまったという過去がありますので足が長いかどうか謎です・・・(笑)

先日のオスグットは太ももの骨の大腿骨(だいたいこつ)が急激に伸びて成長痛を起こしますが、
今回のシーバー病に関してはすねの骨の脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)という骨が急激に成長して起こします。

最近の子供の、膝下が長い!という特徴を考えると、膝のオスグットよりもこのシーバー病の方が起こしやすいといってもよいでしょう!

シーバー病は、オスグットと同じく女の子なら小学生の高学年。男の子なら中学生に多く起こします。

痛みはかかとの側面に起こします。
シーバー病の場合はふくらはぎの筋肉、腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋という筋肉が一つになったものがアキレス腱と名前を変えてかかとの骨に付着しています。この筋肉の柔軟性がないことによって起こします。
子供は、かかとのアキレス腱が付着するところが完全な骨になりきっておらず、骨端線(こったんせん)という軟骨の部分があります。
ここが引っ張られて痛みを起こしますが、オスグットのように骨がでっぱってくることはありません。

スポーツではふくらはぎの筋肉をよく使うスポーツで、バスケットやバレーボールやバドミントンで起こすことが多いです。

シーバー病でかかとが痛くなる

シーバー病の診断は、
年齢やスポーツなどをよく聞く事も大事ですが、最近、急に身長が伸びたか?など身長の伸び率も重要です。
※オスグットも同様です。

触診方法としては、
かかとを両手の母指球(手のひらの親指側にある部分)でかかとを挟み、圧迫をかけ、痛みが出るかどうかを診ます。↓

シーバー病の触診

シーバー病の治療は、一番大事なのは、ふくらはぎの筋肉の柔軟性をつけてあげることです。
痛みの強いときにはストレッチは痛くてできないこともありますので、軽めのストレッチから始めてあげることも大事です。
セルフストレッチなら、よく準備運動でアキレス腱を伸ばすようにするストレッチをしてあげればよいですが、当院ではストレッチボードを使ったストレッチを行っています。
ストレッチボードを使えば、どれくらい柔軟性がないか、続けていってどれくらいの柔軟性がついたのかすぐにわかります。↓

シーバー病の治療::ストレッチボードでふくらはぎをストレッチ

この写真のモデルはふくらはぎが硬いのでこのように腰を伸ばすことができません。
※もちらん角度を低くし、軽めのストレッチから始めることができますのでご安心を・・・

ストレッチで柔軟性をつけることで根本的に治すことができますが、
柔軟性が着くまでにはテーピングやサポーターで痛みを和らげることができます。

テーピングは、ふくらはぎの筋肉に沿ってはることで、かかとの骨にかかる負担を減らすことができます。
サポーターは、かかとにクッションの入った、履くタイプのサポーターでかかとが持ち上がるようになり、ふくらはぎの筋肉をゆるめることでかかとの骨にかかる負担を減らします。

ふくらはぎのテーピング

サポーターの写真は後日掲載します。

あとはふくらはぎの筋肉をよくよくほぐすためにマッサージなどもします。

成長痛ですので長期化しやすいですが、早ければ数回の治療でもじゅうぶんよくなります。

最近の欧米化した生活様式の影響で、このシーバー病は確実に増える傾向にあります。
急に背が伸びてかかとを痛がるお子さんがいるかたはすぐにでも治療をすることをおすすめいたします。

ド・ケルバン病(手の腱鞘炎)

手首が痛いんだけど腱鞘炎かもしれない・・・・

なんて思ったことはありませんか?

今日はよくある腱鞘炎の一つ、ド・ケルバン病についてお話しします。

ド・ケルバン病とは手首の親指側の骨のでっぱりである橈骨茎上突起(とうこつけいじょうとっき)で起こす腱鞘炎です。そこを通る筋肉、長母指外転筋腱(ちょうぼしがいてんきん)短母指伸筋腱(たんぼししんきん)という二つの筋肉の使いすぎで起こします。
この二つの筋肉は親指を伸ばすのに使います。

そもそも腱鞘炎とはどんなものかご存知ですか?
筋肉とは筋腹(きんぷく)と腱(けん)という部分に分かれています。
筋腹とは、いわゆるお肉の部分でここが縮むことで筋肉は働きます。腱とは骨に付着する部分のことで伸びたり縮んだりすることはありません。(アキレス腱が代表的です)
例えるならば、筋腹がゴムで、腱はヒモといったところでしょうか。

その腱が関節などで方向を変える場所にあるのが腱鞘(けんしょう)です。腱鞘は筒状になっていて、その中を腱が通っています。例えるならば、小さなストローの中をヒモが通るような感じです。

その腱鞘に腱がこすれて炎症を起こすことを腱鞘炎といいます。

なんとなくわかりました???

橈骨茎上突起(とうこつけいじょうとっき)

ド・ケルバン病は手の使いすぎや手の使い方が悪かったりすると起こします。
多くはパソコン作業であったり、同じ動作を繰り返し行う仕事で起こすことが多いです。
男性と女性では圧倒的に女性に多いようです。最近で多いのは、出産直後の女性が育児によって起こすことが非常に多いです。

ド・ケルバン病の診断には、まず、先ほどの橈骨茎上突起を押すと痛みがあること、
親指を動かすと痛みがでること
簡単なテストではフィンケルシュタインテストというのがあります。↓

フィンケルシュタインテスト

おわかりいただけますでしょうか?
このフィンケルシュタインテストで陽性であるというのがド・ケルバン病の決め手になります。

※注意 正常の人でも強くやれば少しは痛いです。わかりにくい場合は、この手のまま、親指を下に押して、本人はその手を押し返すように力を入れてみます。

ド・ケルバン病や他の腱鞘炎はほとんどが手の使いすぎで起こします。
ですから、一番の治療は、手を使わないこと!使い方を変えること!です。

しかし、患者さんにそれを言っても、
『手を使わないなんて無理です!!』と言われてしまうことがほとんどです。
女性で手を使わないというのはほぼ無理なようです。女性は働き者ですね・・・
ちなみに男性は意外と使わないでいられるようです(笑)

とは言ってもそれではなかなか痛みはよくなりません。
そこでする治療は、固定をして手を使えない状態にしてしまうのです!
固定の仕方は患者さんとよく相談した上で決めます。

一番しっかり固定できるのは包帯を巻くことです。
しかしまたもやここで問題になるのは、
『手に包帯なんかしたら、洗い物やお風呂が困ります!』と言われてしまいます。
やはりここも患者さんとよくよく相談します。男性であれば問題なく包帯を巻かせてくれますが・・・

方法としてはゴム手袋を使うなどしてもらって、洗い物やお風呂をなんとかこなしてもらったりもしますが、どうしても!と言う人にはテーピングで固定する方法もあります。
しかし、テーピングも水に強いものもありますが、洗い物などをしているとどうしてもはがれてきたりして、効果がなくなってしまい結局また痛くなってしまいます。

やはりしっかり固定していないとなかなか痛みがひきません。
1週間固定するだけでも違います。
包帯固定はコチラ↓

ド・ケルバン病::親指固定包帯

ド・ケルバン病はほっとくだけではなかなか痛みが引きにくく、不便ではありますが、わざわざゴム手袋をして洗い物やお風呂に入るまでするほどのケガだと自分は考えます。

そのことをよく説明し、相談した上で固定の仕方を決めます。なにも包帯を強請するするわけではありませんのでご安心を・・・

ド・ケルバン病に限らず、腱鞘炎の治療は、患者さんに腱鞘炎のことをよく理解していただき、よく相談した上で治療方法を決めることが最も重要だと言えるでしょう!

オスグット(膝の成長痛)その2

先日お話しした膝の成長痛のオスグットに関して、写真を掲載したいと思います。

まずはオスグットによって外見上、骨がふくらんできてしまう部分、脛骨粗面(けいこつそめん)の場所からです。

脛骨粗面(けいこつそめん)の場所

お皿の少し下の骨の部分が脛骨粗面です。
ここに、太ももの筋肉の大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が付着していて、筋肉にひっぱられることで骨が出っ張ってきます。

次に、オスグットのテーピングです。

オスグッドのテーピング

小さくてわかりにくいかもしれませんが、細く切ったテーピングを3本使い、お皿と脛骨粗面の間を圧迫し、大腿四頭筋のひっぱる力が脛骨粗面にかからないようにします。
サポーターも同様にこの部分を圧迫するものになっています。
ちなみにこの圧迫する部分は、大腿四頭筋が膝蓋腱(しつがいけん)と名前を変えたものが通っています

最後に、大腿四頭筋のストレッチです。

大腿四頭筋のストレッチ

おわかりいただけますでしょうか?
まず、長座の姿勢から、痛いほうの膝を曲げ、足首がお尻の横にくるようにした状態で上体を後ろに倒します。

当院ではこのように治療をしています。

以上の写真を見て、更にオスグットに関してわかっていただければ嬉しいです。

オスグットは成長痛だからとあきらめる必要はありません。治療によって痛みを軽減し、問題なくスポーツなどができるようになります。

気になる方やご家族にそのようなお子さんがいらっしゃるならば早めに治療をすることをおすすめします。