治療院の選び方

 

では、腰痛を治すにはどうしたらいいのか?
いよいよ、ここからが本題です。

 

「腰が痛い!」と感じたら、まず市販の湿布薬を張ったり、痛み止めを飲んでみる。
それでも痛みが治まらず、信頼できる医療機関が見当たらないとすると、近くの整体院や整骨院(接骨院)を訊ねるのが普通でしょう。

 

知人や友人の紹介、また最近ではインターネットなどで情報を得て、「ここがよさそうだ」と思ったところに行って、マッサージや指圧、あるはい背骨や骨盤を矯正してもらったり、理学療法を試してみる。それで短期間に改善すれば、何も言うことはありません。

 

しかし実際には、病院に通い、さらに鍼灸、カイロプラクティック、整体等々いろいろと治療を受けてきたけれど、「腰の痛みはいっこうに改善されない」「何かの拍子にぶり返すのでハラハラしている」と嘆いている人たちがたくさんいます。

 

その理由は、施術者によって腰痛に対する確固たる理論と技術レベルがさまざまで、患者にとっては“当たり外れ”があるからです。

 

腰痛で悩んでいる人にとっては、保存療法の枠組みに入らない民間療法も巷にはたくさんあるので、「いったいどこに行けばいいのかわからない」のが正直なところではないかと思います。

 

そこで、できるだけ早く確実に腰痛を治したければ、「信頼できる施術者・治療院を見つける」のが一番の早道です!
そのためにも、腰痛ケアの専門家と言ってもさまざまな施術者がいる、とういうことをぜひ知っておいていただきたいと思います。

 

主に手技療法を用いるのは、前述した医療系の国家資格である理学療法士(徒手療法)、あん摩マッサージ師圧師、柔道整復師で、民間資格の場合はカイロプラクターや整体師、アロマセラピストなどのセラピストで、いわゆるクイックマッサージ屋さんなども含まれます。

 

国家資格の場合は、専門の養成校で最低でも3年以上学び、必要な知識と技術を身につけ、受験資格を取得したうえで国家試験にパスをしなくてはなりません。

 

専門学校では、基礎医学(解剖学・生理学・病理学・公衆衛生学・リハビリテーション理論・関係法規など)に加えてそれぞれ専門領域の学問を履修します。

 

一方、民間資格の場合は、千差万別です。中には一週間くらいトレーニングをしてすぐに施術に入るというところや、ある程度しっかりしたカリキュラムに則って、理論と実技を学ぶところもあって、各団体によってさまざまです。

 

ちなみに、カイロプラクティック(カイロは手技、プラクティックは治療という意味)は、米国で100年ほどの歴史がある手技療法です。このカイロプラクターも米国では西洋医学のドクターと同様、国家資格ですが、日本では国家資格ではありません。

 

このように、カテゴリーで見ると、有国家資格者による施術は「医療の一分野」、それに対して、民間のセラピストによる施術は「医療的行為ではない」という違いがあります。

 

医療的行為であれば当然結果が問われますが、そうでなければ、「お母さんのお手当て」的なリラックス効果やレベルでもかまわず、症状が改善しなくても特に問題はないわけです。

 

ところが、実際の個々の施術者の “腕”となると、まさに千差万別で、「国家資格を持っているから腕が良い」「民間資格だから信頼し難い」とは言えません。

 

国家資格を取得しているからといっても、とりわけ今の時代は、中には誇大広告を掲げたり、せっかく治療効果の期待できる技術を学んでいても、害のない「揉み屋」さんとして保険を使って儲け主義に偏っている施術者もいないわけではないからです。

 

また反対に、民間資格であっても、卒業後にいろいろな現場で研鑽を積んで腕を磨いている施術者もいるので、疲労回復や体調の改善など、それなりの効果が期待できるところもあるので、一概に言えません。

 

実際には、資格の有無や看板(ホームページや施術メニューなど)だけで、腕が確かかどうかを判断しづらいのが正直なところでしょう。

 

信頼できる施術者の条件としては、最新の知識や情報を得たり、より顧客満足度を高めるためにスキルアップできるよう人一倍努力を続けていることはもちろん、「医は仁術」といわれるように、一人ひとりの患者さんに対していかに誠意ある対応・接遇をしているかがとても大事です。

 

その意味でも、広告に惑わされることなく、総合的な観点からできるだけ信頼できる治療院を選ぶのが賢明だと思います。